国土交通省は4月1日、「自動車運送事業者が運転者に行う一般的な指導及び監督の実施マニュアル」の一部を改正し、全日本バス協会など関係者団体に対し、改正内容の周知を図るように文書を発出しています。
2024年(令和6年)4月1日より適用された「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」を踏まえて内容が見直されたものです。
また、最近の事故を参考にして、適切な運送業の運営のために、道路運送車両法、道路交通法をはじめとした関係法令の順守が強調されています。
●新しい改善基準告示に沿って解説
改訂内容として、「過労運転防止のための留意点」における解説を更新して、改善基準告示のポイントをわかりやすく示しています。
さらに、「運転支援装置の性能及び留意点」における解説内容が新たなイラスト入りで、より詳しくなりました。
●貸切バスの添乗指導の章を新設
そして貸切バスの安全対策強化の一環として、「Ⅻ.貸切バスの添乗指導」の章が追加されて、初任運転者や事故惹起運転者に対して20時間以上の実施が義務づけられている「実技指導のポイント」について解説しています。実際のバス事業者で実践している指導体制や自社マニュアル作成例、技能教習チェック表なども紹介していますので、参考になります。
このほか、概要編については見やすいように簡潔な内容のリーフレットに変更されました。
※指導・監督のマニュアルは、国土交通省の安全対策webサイト からダウンロードできます。
●改善基準告示のポイント
「自動車運転者の労働時間等の改善 のための基準(改善基準)」で示されている拘束時間、休息期間などの労働時間の上限について、表にして解説しています。
●貸切バスの添乗指導
貸切バス事業者に指導が義務づけられている20時間以上の実技指導について、バス会社における取組み事例などを紹介して、ポイントを解説しています。
●技能講習チェックシート
実際のバス会社で利用されている添乗指導用のチェック表が例示されています。
●実施マニュアルの概要版
指導及び監督の重要ポイントをリーフレットで簡潔にまとめてあります。
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「バス運行管理者のための指導・監督ツール」は、貸切・乗合バスドライバーに対する「指導・監督の指針」に沿った教育が効果的に実施できる資料です。
2018年6月1日に改正された最新の指針に基づき、全13項目に対してそれぞれ、管理者がドライバーミーティングなどを行う際に利用できる「管理者用資料」1枚と、バスドライバーとして踏まえておきたい知識をイラストと3つのキーワードでわかりやすく解説した「運転者用資料」3枚の計52枚で構成しています。
2016年1月に発生した軽井沢スキーバス事故を契機に、国土交通省ではバス事業所への監査を徹底するなど、再発防止のための法改正を行いました。その中でも、初任運転者に対する教育は重点的に強化されましたが具体的な教育テキストはありませんでした。
本書は、中国バス協会様のご指導のもとに制作したテキストで、事業所における初任運転者教育の方法を具体的に紹介した決定版です。初任運転者教育の内容をイラストや写真を使って、わかりやすく解説しています。
また、指導記録用紙や記入例、実技指導のチェック項目も備えていますので、バス運転者の初任運転者教育を行うにあたって欠かせない1冊となっています。
管理者向けの指導・監督資料については → こちらを参照
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