国土交通省は、2024年5月から「貸切バスの安全性向上のための取組み」の一環として、各地方運輸局単位で、事業者講習会を開催するとともに街頭監査を実施しています。
貸切バス事業はインバウンド需要が本格的に回復したことに伴って需要が高まっています。貸切バス繁忙期を迎えるにあたって、輸送の安全を確保することが求められているため、講習会の開催を実施しているものです。
講習の主な対象は、貸切バス事業者の統括運行管理者等です。
講習会は5月から7月にかけて開催し、実際に会場を設営して行う講習とともに、動画サイトにアップしたビデオ講習を受講する形での開催もあります。開催概要については、各運輸局のホームページに掲載されています。
講習会(動画)の構成は運輸局によって若干の違いはありますが、概ね以下のような内容となっています。
国土交通省の動画サイトより
※図は「貸切バス事業者講習会のスライドより」(国土交通省)
講習会の開催と並行して、全国一斉に街頭監査が実施されています。
街頭監査は予告なく、抜き打ち的に行うもので、運輸支局の係官がバスに乗り込んで、車内の表示、運転者の健康状態、交代運転者の配置状況、点呼の実施状況、運行指示書の作成・携帯状況などについて確認します。
また、法令違反が確認された事業者に対してはその場で改善指示を行うほか、原則として、後日呼出監査などが実施されます。違反事項がすべて改善されたことを確認するためです。
下り坂走行時における実技指導の例
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