私たちの生活に欠かすことのできない大変便利なものとなっているスマートフォンですが、近年、運転中の携帯電話使用等による死亡・重傷事故は増加傾向にあります。運転中のながらスマホは重大事故に結びつくおそれのある危険ない行為であるため、運転中のスマホ等の使用禁止の周知・徹底を図りましょう。
また、9月は、秋の全国交通安全運動が実施されます。運転者の安全運転意識の高揚を図る絶好の機会です。事業所も積極的に運動へ参加する姿勢を示しましょう。
健康面では、9月に入ってもまだまだ暑い日が続くため、まだまだ油断せず、夏バテ対策をしっかりととりましょう。
9月の安全運転目標
運転中にスマホ等を触らない
9月の重点管理目標
秋の全国交通安全
運動に参加しよう
9月の健康管理目標
夏バテ防止対策を継続しよう
■その他の管理・指導項目 ■運行管理者の皆さんへ ■9月の安全運転管理ごよみ
●運転中にスマホ等を触らない
ながらスマホに関連する死亡・重傷事故は増加傾向に
普段の生活はもちろん、仕事にも欠かすことができないスマートフォンですが、運転中の携帯電話等使用による死亡・重傷事故は近年、増加傾向にあります。
警察庁によると、令和6年6月末までの半年間に、死亡事故は昨年同期比1.75倍の14件、重傷事故は同1.2倍の44件も発生しています。
「少し画面を見るくらいなら問題ない」と軽い気持ちでスマートフォンを操作しているかもしれませんが、その一瞬のわき見が、悲惨な交通事故につながることをしっかりと理解してください。
運転中にスマートフォンを操作させないためには、鞄の中など、手の届かない場所にしまうとよいでしょう。
また、スマートフォンをカーナビ替わりに使用することも少なくありませんが、運転前に走行ルートを確認しておくなど、事前の準備が重要です。
そして、スマートフォンをどうしても使用しなければならない場合は、必ず車を安全な場所にとめてからにすることを徹底してください。
※ ↑警察庁WEBサイト「令和6年上半期における交通死亡事故の発生状況」内資料より
●秋の全国交通安全運動に参加しよう
9月21日(木)から、秋の全国交通安全運動が実施されます。
安全運動期間中は、街頭における歩行者の交通誘導など安全活動の実施に協力しましょう。
また、運転者に対しては、とくにこども・高齢者の歩行者保護を訴える目的の安全運転教育資料を配布したり、運動実施のポスターなどを掲示して、全体の安全運転意識の喚起をはかってください。
今年の交通安全運動の実施要項は以下のような内容となっています。
○運動期間
2024年9月21日(土)~30日(月)までの10日間
○交通事故死ゼロを目指す日
9月30日(月)
○全国運動重点
※詳しい実施要綱は、内閣府のWEBサイトを参照してください。
職場の安全活動を盛り上げよう
職域における交通安全活動としては、以下のような点が推奨されています。
●電動キックボードの安全な利用方法も指導しよう
いわゆる「電動キックボード(特定小型原動機付自転車)」に関する新たな交通ルールが令和5年7月に施行されました。利用者には、交通ルールを理解した上で、安全に使用することが求められますので、自転車や原付とは違った特殊な交通ルールを周知し、法令遵守の徹底とともに、事故発生時の被害軽減のためヘルメット着用徹底を指導しましょう。
詳しくは →警察庁のWEBサイト「特定小型原動機付自転車に関する交通ルール等について」 を参照。
酒気帯び運転の禁止
お酒を飲んだときは、特定小型原動機付自転車を運転してはいけません。
【罰則】5年以下の懲役又は100万円以下の
罰金等
2人乗りの禁止
特定小型原動機付自転車は、2人乗りをしてはいけません。
【罰則】5万円以下の罰金等
●夏バテ防止対策を継続しよう
日々の健康管理で夏バテ防止
9月に入っても、まだまだ暑い日が続くことが予想されます。
暑さに慣れたからといって油断してしまううと、倦怠感や疲労感、食欲不振、寝不足といった体調不良に陥るおそれがあるため注意が必要です。
夏バテを防止するポイントとしては、食欲が落ちやすいため、量ではなく質に重点を置き、栄養価の高い食品を摂取するとよいでしょう。
また、空調と上手に付き合うことも重要です。暑さを我慢することは危険ですが、冷えすぎることも問題です。エアコンは寒いと感じない温度に設定し、身体に直接風が当たらないようにしてください。
同様に、質の高い睡眠の確保にも努めましょう。寝苦しさを感じないように、エアコンを活用することが重要です。
きたる10月1日(水)から7日(月)まで、令和6年度「全国労働衛生週間」が実施されます。
9月1日から30日まではその準備期間です。各職場で職場巡視やスローガンの掲示、労働衛生に関する講習会・見学会の開催など、さまざまな取り組みを展開しましょう。
○全国労働衛生週間
準備期間 2024年9月1日~30日
本週間 2024年10月1日~7日
○スローガン
推してます みんな笑顔の 健康職場
とくに、重点的な目標として指摘されているのは、次のポイントです。
■台風や大雨に備えた体制を確保しよう
9月は例年、日本にもっとも多くの台風が接近する月となっています。
台風が接近してきた際には、河川の増水や氾濫、土砂災害、低い土地の浸水等に厳重な警戒が必要となるほか、激しい突風にも注意が必要です。
運行管理者の皆さんは、次のようなことに留意しておきましょう。
日 付 | 行 事 等 |
8月30日(金)~ |
・防災週間──防災の日をはさんで防災に関する知識を普及・啓発するとともに、防災行動へと結びつける取組みが全国各地で行われ、異常気象時における通行規制図などが自治体から配布されます。 |
8月30日(金)~ |
・紀伊半島豪雨災害から12年──2011年8月30日から9月5日にかけて台風23号の影響で関東と紀伊半島を中心に豪雨による甚大な被害が発生、河川の氾濫や土砂災害により全国で98人の死者・行方不明者がでました。 |
8月3日(土)~ ~9月1日(日) |
・令和6年度 「第1回 運行管理者試験」(CBT試験) CBT試験は筆記による試験ではなく、テストセンターにてパソコン画面に表示される試験にマウス等を用いて回答します。試験専用サイトにて指定された試験会場、日時から申請者が選択して受験します。合格発表は、9月18日(水)の予定 詳しくは、(公財)運行管理者試験センターのWEBサイトまで。 |
1日(日) |
・防災の日──1923年(大正12年)のこの日に発生した関東大震災を教訓とし、防災意識を高めるため1960年(昭和35年)に制定されました。 |
1日(日)~ 30日(月) |
・「全国労働衛生週間の準備期間」─ 来月の1日から7日に実施される 全国労働衛生週間の実効を上げるため、準備を行います。 令和6年度 全国労働衛生週間スローガン 「推してます みんな笑顔の 健康職場」 ※詳しくは、厚生労働省のWEBサイトを参照してください。 |
1日(日)~ 30日(月) |
・「自賠責制度広報啓発運動」──国土交通省などが主唱。自賠責保険・共済の重要性について積極的にPRします。特に原付バイクユーザーが無保険で走行しないように注意喚起をしましょう。 |
1日(日)~ 30日(月) |
・自動車点検整備推進運動強化月間 ──9月~10月の2か月間、国土交通省が点検・整備の重要性を呼びかけています(都道府県によっては9月より早い月から地方独自強化月間として独自に設定して、点検整備の取組みを推進します)。 |
1日(日)~ 30日(月) |
・職場の健康診断実施強化月間──厚生労働省が定期健康診断の実施や就業上の措置について事業者への徹底を促すため、毎年9月を「職場の健康診断実施強化月間」と位置付けて、啓発活動を行っています。 |
7月1日(土) ~30日(月) |
・2024年度 港湾労働安全強調期間──港湾貨物運送事業労働災害防止協会による全国安全週間に呼応した活動を7月から9月まで実施。港湾内の事故防止活動を推進します。詳しくはこちらを参照してください。 ●本年度のスローガン 危険に気付くあなたの目 そして摘み取る危険の芽 みんなで築く職場 の安全 |
3日(火) |
・睡眠の日──「グ(9)ッスリー(3)」眠るからの語呂合わせです。日本人の睡眠時間は減少傾向にあり、良質な睡眠の確保が望まれます。8月27日から9月10日までは秋の睡眠健康週間が実施されます(春の「睡眠の日」は3月18日。世界睡眠デーと関連)。 |
4日(水) |
・台風21号の暴風高潮災害から6年──2018年9月4日「非常に強い勢力」の台風21号が徳島県南部に上陸、勢力を維持したまま近畿地方を通過し、第二室戸台風を上回る大規模な高潮をもたらしました。広範囲で強風となり、最大瞬間風速50m/sを超える猛烈な風が観測され、車両横転のほか、浸水で車のバッテリーがショート、約100台が炎上するなど様々な被害が発生しました。人的被害は死者14名、負傷者980名を記録しました。 |
5日(木) |
・京急電車踏切トラック衝突事故から5年──2019年9月5日、横浜市神奈川区の京浜急行本線踏切で立ち往生したトラックが、快特電車(8両編成)と衝突、1~3両目が脱線して乗客30人以上がけがを負いトラック運転者の男性が死亡しました。トラックは予定の運行経路を何故か外れていて、京急電車側にもブレーキの遅れなどのミスがあり、運輸安全委員会と事業用自動車事故調査委員会が調査して報告書を提出しています。 |
5日(木) |
・大雨による三重トラック水没死亡事故から5年──2019年9月5日、三重県いなべ市で水がたまったアンダーパスにトラックが水没し、車内で運転者と見られる男性が死亡しているのが発見されました。東海地方は三重県北部で前日夜から記録的な大雨となり、気象台は記録的短時間大雨情報を出していました。 |
7日(土) |
・白露 |
9日(月) |
・救急の日──救急医療週間は9月3日(火)~9日(月) |
10日(火) |
・世界自殺予防デー──10日から16日までは自殺予防週間。悩みを抱えた人がいないかに気づき、援助が受けられるよう努力しましょう。長時間労働に配慮することも大切です。日本は毎年、年間2万人近くの自殺者がいて(2019年は20,169人)、全体の約7割を男性が占め、中高年に多いのが特徴です。 |
12日(木) |
・9月の製品安全点検日 ──経済産業省は、毎月第二火曜日を「製品安全点検日」として、製品の安全な使用法やリコール製品等について情報提供・注意喚起を行っています。 |
~13日(金) |
・交通安全ファミリー作文コンクールの募集 7月5日より募集を開始し、応募締切は9月13日
(※詳しくは、警察庁のWEBサイトを参照) |
16日(月) | ・敬老の日 |
17日(火) | ・中秋の名月(旧暦八月十五日) |
20日(金) |
・バスの日──1903年(明治36年)のこの日、京都市で日本で初めてバス会社(二井商会)が本格的な乗合自動車の営業を開始したことに由来します。日本バス協会では「バスフェスタ」を開催します。 |
21日(土) ~30日(月) |
・秋の全国交通安全運動──交通安全運動の推進要綱については内閣府のWEBサイトを参照してください。 |
22日(日) |
・青森県飲酒危険運転4人死亡事故から5年──2018年9月22日、青森県つがる市で元団体職員の運転者が、飲酒運転をして時速163キロに加速、前の車に追突するなど車4台が絡む事故を起こし、4人を死亡させ3人に重傷を負わせる事故を起こしました。
2020年6月8日青森地裁は危険運転致死傷罪で被告を裁き、「極めて危険性が高く悪質」として懲役20年の刑を言い渡しました。 |
22日(日) |
・秋分の日 |
23日(日) |
・振替休日 |
25日(水) |
・電動キックボード死亡事故第一号──1年前の2022年9月25日夜、東京都中央区で会社役員の男性(52)が電動キックボードを運転中に転倒し死亡する事故が発生しました。男性はヘルメットを着用せず、駐車場で酒気を帯びて運転、縁石に乗り上げ頭を強打して亡くなりました。 |
30日(月) | ・交通事故死ゼロを目指す日 |
30日(月) |
・クレーンの日──クレーン協会等がクレーン等の安全規則を公布したことを記念して、昭和55年に制定されました。 今年のスローガンは、 「クレーンで吊るのは荷と責任 重みを感じて安全作業」 詳しくは、同協会のホームページを参照して下さい。 |
4月1日(月)~ 9月30日(月) |
・「熱中症予防強化キャンペーン」──熱中症の予防対応策について正しい知識を普及するため、環境省が実施しています。 |
5月1日(水)~ 9月30日(月) |
・「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」期間 厚生労働省が主唱する、職場における熱中症予防対策キャンペーンは、5月1日から9月30日まで実施されています。 |
~9月30日 |
・夏の省エネキャンペーン──6月より実施/エネルギー消費の大きなピークの季節を迎え、省エネキャンペーンが行われています。 |
9月中旬 | ・2024年8月末までの交通事故発生状況発表(警察庁) |
9月下旬 |
・2024年7月分 トラック輸送情報(国土交通省) |
◆9月の日没時刻 (国立天文台 暦計算室による)
1日(金) | 福岡 18:44 |
大阪 18:25 |
東京 18:08 |
札幌 18:10 |
15日(金) |
福岡 18:25 |
大阪 18:05 |
東京 17:48 |
札幌 17:45 |
30日(土) | 福岡 18:04 |
大阪 17:44 |
東京 17:26 |
札幌 17:18 |
9月になって日暮れが早くなってきたことを実感していることでしょう。早い地域では夕方5時台で日没です。会社に戻る前に薄暮となり、マイカー通勤は夜間運転になることを意識して、早めに点灯しましょう。
夜が長くなると歩行者や自転車を見落とす危険が増し、夜間事故が増加します。
また、9月はスポーツや文化行事の多い月ですから、学生や児童・生徒が夕方出かけけていたりすることも多いので、歩行者の存在にはとくに気をつけましょう。
あなたが点灯することで歩行者や自転車などからもあなたのクルマが確認しやすくなります。
「おもいやりライト運動」は、夕暮れ時のヘッドライト早期点灯をドライバーに呼びかけて交通事故を削減する運動です。全国で点灯活動を展開する運転者が増えています。
JAF(日本自動車連盟)も早期ヘッドライト点灯キャンペーンを展開しています。
JAFのインターネットWEBサイトではライト点灯
に関して様々な情報提供が行われます。
※詳しくは JAF Safety Light
のサイトを参照してください