10月は、日の入り時刻もだんだんと早くなり、薄暮時から夜間にかけての交通事故が増える時期です。ドライバーの皆さんは、歩行者を見落とさないように注意しましょう。
管理面では、夜間走行中、危険を早期に発見するため、上向きライト(ハイビーム)を活用させましょう。
健康面では、安全運転に欠かすことのできない目の健康に注意を向けてみましょう。
10月の安全運転目標
道路を横断する
歩行者を見落とさない
10月の重点管理目標
上向きライトを活用
させよう
10月の健康管理目標
目の健康に注意を
向けよう
■その他の管理・指導項目 ■運行管理者の皆さんへ ■10月の安全運転管理ごよみ
●夜間、道路を横断する歩行者を見落とさない
歩行者の発見の遅れが事故につながる
夜間は、横断歩道のない場所を横断する歩行者と衝突する事故が頻発しており、その特徴として、歩行者と衝突するまでほとんど減速されていないことが挙げられます。
これは、歩行者の発見が遅れていることを示しており、その要因としては、「夜間の交通閑散に油断した」「考え事をしていた」「危険はないと考え、わき見した」といったことが挙げられます。
夜間、とくに直線道路では運転操作が単調なことから集中力を欠きやすい状況であることに注意が必要です。
夜間は、通い慣れた道など、たとえ単調な道路であっても、前方はもちろん、道路を横断しようとする歩行者がいるかもしれない道路の側方にまで、注意を向けて運転するように心がけましょ
★下の項目をチェックし、すべてハイとなることを目指してください
・交差点右折時は横断歩道前で一時停止し、歩行者・自転車を確認する
・夜の交差点では、ライトの照射外にいる歩行者を注意している
・夕刻や夜間には、横断歩道の先で横断する歩行者を予測する
・右折前には交差点の付近に歩行者がいないかよく観察しておく
・左折前には、歩道上に歩行者や自転車がいないかよく見ておく
・夜間の右左折時は対向車のライトなどを注視しないように気をつける
・夜遅い時間帯でも「横断歩行者がいるかも知れない」と考えておく
・対向車がいないときには、すぐにライトを上向きに戻しておく
ハイ・イイエ
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●上向きライトを活用させよう
危険の早期発見に努める
夜間、道路を横断する歩行者などを早期に発見するためには、上向きライト(ハイビーム)の活用が欠かせません。
道路が暗く、対向車や先行車がいない場面では、ハイビームを活用させましょう。
ただし、ハイビームは他の車両を眩惑させるおそれがあるため、交通量の多い市街地などでは下向きライト(ロービーム)を使用してください。
「ハイビームを使うように言われた」「切り替えが面倒だ」と考える運転者もいるかもしれませんので、状況に応じたハイビーム・ロービームのこまめな切り替えを指導してください。
オートハイビーム(自動切替型前照灯)の機能を備える車両は、こちらを積極的に使用させるとよいでしょう。
●目の健康に注意を向けよう
視野障害の危険を理解しよう
最近、運転中に「もの」が見えにくいと感じることはありませんか? それは、もしかすると視野障害の兆候かもしれません。
運転免許の更新や健康診断などで、視力検査は行われます。そのため、視力の低下は比較的気づきやすいのですが、視野については、障害があってもなかなか気づきにくい状況です。
視野障害には、「部分的に視野が欠ける」「暗点がある」「視野が狭くなる」「歪んで見える」等、さまざまな症状があります。
視野障害は重大事故につながるおそれあり
視野障害は自覚しにくいものですが、まったく兆候がない訳ではありません。
たとえば、運転中に「左右から出てきた歩行者等に気づかないことがある」「信号機を見落としたことがある」「夜間や雨天時、見えにくくなったと感じる」といったことがある場合には、視野障害が影響しているのかもしれません。
視野が狭くなったり、一部が見えない状態で運転を続けていると、いずれは重大事故につながるおそれがあります。
運転中に、見落とし等で違反やヒヤリ・ハットを経験しているようであれば、早めに眼科医を受診するようにしてください。
★下の項目をチェックし、ハイが多い場合は視野障害を疑いましょう
・突然、車や自転車等が飛び出してきてビックリしたことがある
・普段、あるはずの一時停止の標識に気づかなかったことがある
・交差点にあるはずの信号機に気づかなかったことがある
・車線を守って走っているつもりが、いつの間にかはみ出していることがある
・車を頻繁に傷つける
・以前より、車庫入れに苦労する
・同乗者から「危ない」と指摘されたことがある
・周囲の車の流れに乗れないことがある
ハイ・イイエ
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※この記事は、以下の小冊子を参照しました。
●シンク出版 「大丈夫ですが? あなたの目のはたらき」
10月1日(火)から7日(月)まで、令和6年度「全国労働衛生週間」が実施されます。
今年のスローガンは、「推してます みんな笑顔の 健康職場」です。
全国労働衛生週間期中には、以下の事項を実施してください。
2024年11月1日、道路交通法の一部改正により、自転車の危険な運転に新しく罰則が整備されます。
・自転車のながらスマホ
スマートフォンなどを手で保持して自転車に乗りながら通話したり、画面を注視した場合、6月以下の懲役または10万円以下の罰金となります。
事故を起こすなど、交通の危険を生じさせた場合は1年以下の懲役または30万円以下の罰金となります。
・酒気帯び運転および幇助
自転車の飲酒運転は飲酒の程度に関わらず禁止されていますが、処罰の対象は「酒酔い運転」のみでした。
そこで、今回の改正では「酒気帯び運転」についても罰則規定が整備され、違反した場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金となります。
同様に、自転車の飲酒運転を幇助した者にも罰則が適用され、自転車を提供した者には3年以下の懲役または50万円以下の罰金が、また、同乗者や酒類提供者には2年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。
このほか、自転車の運転に関し一定の違反行為(危険行為)を3年以内に2回以上反復して行った者に対し、都道府県公安委員会が講習の受講を命ずる「自転車運転者講習制度」の対象となる違反に、「運転中のながらスマホ」と「酒気帯び運転」が追加されます。
●大型自動車への重点点検指導
9月・10月は「自動車点検整備推進運動強化月間」です。
とくに乗車定員30名以上の大型バスを運行するバス事業者や事業用トラックを50台以上使用する貨物運送事業者は、大型自動車の重点点検を行い、その結果を報告するよう地元の運輸支局から注意喚起が行なわれます。
これ以外の事業者も自主点検に取り組みましょう。
とくに、点検整備ミスによるバスの火災事故、車体腐食事故、大型車のホイール破損・車輪脱落事故、ブレーキペダルの戻り不良による火災事故等が発生しています。
●車輪脱落事故には行政処分
「整備管理者制度の運用について」の一部が改正され、1年が経ちました。
後を絶たない大型車の車輪脱落事故を防ぐため、国土交通省は、事業用自動車の管理を担う「整備管理者」にタイヤ脱着作業や増し締めなどの実施を求めています。
整備管理者向けの研修に脱落事故防止対策も追加されました。
この改正によって、不適切なタイヤ脱着作業や保守管理のミスで車輪脱落事故を起こした場合は、自動車運送事業者や整備管理者は行政処分の対象となります。
また、3年以内に車輪脱落事故を2回起こした運送事業者の整備管理者に対しては同省が解任命令を出します。
(※車両総重量8トン以上または定員30人以上の大型車を保有する場合が対象)
日 付 | 行 事 等 |
1日(火)~ 7日(月) |
・全国労働衛生週間 令和6年度 労働衛生週間スローガン 「推してます みんな笑顔の 健康職場」 ※詳しくは、厚生労働省のWEBサイトを参照してください。 |
1日(火)~ 31日(木) |
・体力つくり強調月間──スポーツ庁が、国民の健康・体力づくりを推進するため、行事や広報活動などを通じて啓蒙キャンペーンを実施します。 |
1日(火)~ 31日(木) |
・全国不正軽油撲滅強化月間──軽油に灯油・重油等を混入する行為など悪質な脱税行為を防ぐキャンペーン月間(軽油引取税全国協議会が主導) |
1日(火)~ 31日(木) |
・自動車点検整備推進運動強化月間 ──9月~10月の2か月間、国土交通省が点検・整備の重要性を呼びかけています(大型車使用事業者に対しては、都道府県トラック協会・バス協会や整備振興会などの自動車関係団体を中心に重点的な点検整備の取組みを推進します)。 |
3日(木) |
・第29回 全国トラック運送事業者大会(熊本県熊本市) 於:熊本城ホール |
7日(月) |
・盗難防止の日──(一社)日本損害保険協会が提唱。 「盗(10)難(7)」からの語呂合わせで自動車盗難や車上ねらい、住宅侵入盗などに対する防止策を呼びかけています。 |
8日(火) |
・寒露(かんろ) |
8日(火) |
・観音寺大太鼓への衝突死傷事故から8年──2016年10月8日午後10時前ごろ、香川県観音寺市の国道11号を走行中の大型トレーラが太鼓台を引いていた秋祭り関係者60名の列に追突し、1名が死亡5名が重傷、34名が軽傷を負う事故が発生しました。運転者(42歳)は改善基準告示を超える長時間労働のため疲労が蓄積して居眠運転に陥り、秋祭りの列に気づくのが遅れました。運転者は禁錮4年の実刑判決を受けています。 また、違法な時間外労働をさせたとして、運送会社と社長が労働基準法第32条(労働時間)違反で書類送検されました。 |
8日(火) |
・糖をはかる日──糖尿病治療研究会により制定され、一般社団法人日本生活習慣病予防協会が継承、血糖を知る、はかる、コントロールすることを啓蒙する日となっています。 |
9日(水) |
・トラックの日──全日本トラック協会が平成4年に制定。毎年この日を中心に都道府県トラック協会が広報活動、イベント等を実施します。 |
10日(木) |
・目の愛護デー ──運転者にとって、目の健康はとても重要です。この日を機会に目を大切にすることについて考えてみましょう。 |
11日(金) |
・交通事故総合分析センター 第27回 交通事故・調査分析研究発表会 開催場所:JA共済ビルカンフェレンスホール/WEB同時配信。 詳しくは、交通事故総合分析センターのWEBサイトを参照。
※WEB視聴は申込登録が必要(WEB同時配信と後日動画視聴可能) |
12日(土) | ・台風19号の記録的豪雨災害から5年──2019年10月12日、台風19号が静岡県・伊豆半島に上陸して関東と東北南部を進み、東日本や東北で記録的な豪雨となりました。死者・行方不明者は合わせて125人。洪水や土砂に襲われて流された車も多く、少なくとも17人が車での移動中に亡くなったとされています。 |
13日(日) |
・富士山麓観光バス横転死傷事故から2年──2022年10月13日午前11時55分ごろ、静岡県小山町の富士山五合目から長い坂が続く山道「ふじあざみライン」で、観光バスがブレーキ不能となって法面に乗り上げて横転、乗客1人が死亡、28人が重軽傷を負う事故が発生しました。 運転者(当時26歳)はこの道路を下るのは初めてで、フットブレーキを多用してフェード現象を起こしました。運転者への指導が不十分とされ、運行管理者が静岡県警に書類送検されました。 |
14日(月) |
・スポーツの日──10月第2月曜日は「スポーツの日」となります。 |
17日(木)~ 23日(水) |
・薬と健康の週間──「医薬品を正しく使用すること」の大切さを訴える週間。車などの機械を運転をするときには、薬の副作用を確認するとともに、必要な薬は正しく服用しましょう。 |
20日(日) |
・舞鶴市の台風23号によるバス立ち往生事故から20年──2004年10月20日の夜、台風の影響のため国道175号で由良川から氾濫した水につかりツアー客ら37人を乗せた観光バスが立ち往生しました。乗客らはバスの屋根に避難、濁流の恐怖と戦いながら翌21日の朝を迎え、約10時間ぶりに全員が救出されました。 |
21日(月) |
・あかりの日──1879年にトーマス・エジソンが京都八幡町(現・八幡市)産の竹を使って白熱電球を完成させた日にちなんでいます。
車のライトを点検し、早めのライト点灯を心がけましょう。 |
23日(水) | ・霜降 |
23日(水)~ 29日(火)
|
・高圧ガス保安活動促進週間──経済産業省・高圧ガス保安協会などが毎年、高圧ガスの保安活動の促進を呼びかけます。 令和6年度キャッチコピー「見えぬガス 見えぬ危険を 見る力」 高圧ガス保管者は点検・確認を徹底して高圧ガス災害を防ぎましょう。貨物運送事業者は、タンクローリー、バラ積みトラック等における高圧ガス移走時の保安対策を進めてください。 |
26日(木) |
・一宮市のスマホゲーム脇見事故から8年──2016年10月26日午後4時10分ごろ、愛知県一宮市内の市道で、スマホアプリ「ポケモンGO」に夢中となり脇見運転をしていたトラック運転者(36歳)が、横断歩道を横断中の9歳の小学生男児をはねて死亡させました。 運転者は日常的に運転しながらスマホでゲームを繰り返しており、過失は重大だとして禁錮3年の実刑判決を受けました。 |
26日(土)~
27日(日) |
・第56回 全国トラックドライバー・コンテスト 於:安全運転中央研修所(茨城県ひたちなか市)
詳しくは、全日本トラック協会のWEBサイトを参照してください。 |
28日(月) |
・横浜市の乗合バス意識喪失衝突事故から6年──2018年10月28日午後9時17分ごろ、神奈川県横浜市西区の国道16号を走行中の大型乗合バスが道路左側高架橋支柱に衝突した後、信号停止中の乗用車に追突、バスの乗客1名が死亡し、乗客2名及び運転者(50歳)が重傷を負いました。 運転者は反射性失神により運行途中に意識を消失したもので、過去の勤務時間外に意識消失を経験していたものの、この情報を運行管理者に報告していませんでした。 |
31日(木) |
・ハロウィン──古代ケルト人に由来すると言われる西欧の魔除け祭。
近年、日本でも仮装イベント、コスプレ祭りとして人気を呼んでいます。コロナ禍を経て、仮装パーティーなどをオンライン実施する団体も増えていますが、夜間に若者の歩行者等が都心部で増加する可能性があります。ドライバーはこの日の前後は歩行者の行動に気をつけましょう。 |
10月中旬 | ・2024年9月末までの交通事故発生状況発表(警察庁) |
10月下旬 |
・2024年8月分 トラック輸送情報(国土交通省) |
◆10月の日没時刻 (国立天文台 暦計算室による)
1日(火) | 福岡 18:03 |
大阪 17:42 |
東京 17:25 |
札幌 17:16 |
15日(火) |
福岡 17:45 |
大阪 17:24 |
東京 17:06 |
札幌 16:52 |
31日(木) |
福岡 17:27 |
大阪 17:05 |
東京 16:47 |
札幌 16:28 |
10月は日暮れが早く、あっと言う間に暗闇に包まれてしまいます。早い地域では夕方4時台から日没です。会社に戻る前に薄暮となり、マイカー通勤は夜間運転になることを意識して、早めに点灯しましょう。
夜が長くなると歩行者や自転車を見落とす危険が増し、夜間事故が増加します。
また、10月はお祭りや文化行事などの多い月です。夕方から急に人出が増えることもありますので、歩行者の存在にはとくに気をつけましょう。
あなたが点灯することで歩行者や自転車などからもあなたのクルマが確認しやすくなります。
「おもいやりライト運動」は、夕暮れ時のヘッドライト早期点灯をドライバーに呼びかけて交通事故を削減する運動です。全国で点灯活動を展開する運転者が増えています。
JAF(日本自動車連盟)も早期ヘッドライト点灯キャンペーンを展開しています。
JAFのインターネットWEBサイトではライト点灯
に関して様々な情報提供が行われます。
※詳しくは JAF Safety Light
のサイトを参照してください