令和7年、あけましておめでとうございます。
今年も心新たに、事業所の安全確保に努め、従業員全員で無事故・無違反を誓いましょう。
まずは、運転者それぞれに「安全運転目標」を立ててもらい、事業所で共有してください。
事業所では、昨年に発生した交通事故の傾向を把握して、事故防止対策を施しましょう。
また、毎年、大雪による立往生が発生しているため、降雪地帯を走行する場合には、立往生防止対策を講じましょう。
健康面では、風邪薬等の服用時に、眠くなる成分等が含まれていないかの確認を周知しておきましょう。
1月の安全運転目標
安全運転目標を
宣言しよう
1月の重点管理目標
事故・違反の傾向を
把握しよう
1月の健康管理目標
服薬時の危険を
理解しよう
■その他の管理指導項目 ■運行管理者の皆さんへ ■1月の安全運転管理ごよみ
●安全運転目標を宣言しよう
具体的な目標を定めて事故防止に取り組もう
今年1年の安全運転を誓い、具体的な行動目標を立てましょう。
安全運転の目標は、
など、実践的な目標を設定することが大切です。
昨年、交通違反や事故などを経験した人や、ヒヤリ・ハット体験があった人は、そうした違反や事故を二度と起こさないための目標を設定しましょう。
安全運転目標は、朝礼や点呼時などに宣言して、職場の仲間と共有することで気持ちを高めましょう。
そして、宣言した目標はそのままにせず、毎月、達成状況を振り返ることが大切です。
全国交通安全年間スローガンが決まりました!
すぐに具体的な安全目標の言葉が思い浮かばないという方は、今年1年間(2025年)全国で使用される「全国交通安全年間スローガン」などを参考にするとよいでしょう(全日本交通安全協会と毎日新聞社の共催により毎年募集)。
2025年使用の交通安全スローガン (運転者を対象にしたものの入選作)
●事故・違反の傾向を把握しよう
2024年を振り返ろう
最新の交通事故統計によると、10月末の時点で26,021件の交通事故が発生しています。
これは、毎日800件近く、交通事故が発生していることになります。
では、みなさんの事業所ではいかがでしょうか。
昨年、1年間に発生した事故や違反を振り返り、今年の目標を立ててみましょう。
事業所で発生した事故を分析する際には、「事故が起きた場所」や「事故類型(追突・右折時等)」、「通行目的(業務・通勤等)」に分けて考えると、具体的な対策が立てられます。
一方、「無事故・無違反を達成できた!」という方は、昨年の対策や指導内容を振り返り、アップデートを図りましょう。
大雪が予想される際には、気象情報等をよく確認してください。
そして、安全の確保に支障が生じるおそれがある場合は、滑り止めの措置が講じられているかどうかや、運行の中止の指示など、必要な措置をとりましょう。
なお、雪道において、悪質な立往生を発生させた場合は、監査で事実関係を確認したうえで、講じた措置が不十分と判断された場合は「行政処分の対象」となることにも注意が必要です。
このほか、警報レベルの大雪が降った際には、右のような標識が出ている道路(一般道路、高速道路)で全車両へのチェーン規制が行われることになっています(2018年12月から実施)。こちらは、豪雪により車が立ち往生し、長時間の滞留が発生することを防ぐための措置です。
この標識が出ている道路では、スタッドレスタイヤな冬用タイヤの車であってもチェーン装着が必要ですので、1月は気象情報や道路規制情報に注意して、運転者にチェーン搭載の指導を実施しましょう。
国土交通省が規制実施の対象となる区間と規制の運用方針を決めて公表しています。該当する経路を走行する事業所では、豪雪に備えてチェーン搭載を指導してください。
→ 詳しくは、こちらを参照 (国土交通省のWEBサイト)
●服薬時の危険を理解しよう
服薬中は車を運転してはいけない薬があります
「ちょっと鼻水が……」など、少し身体の調子が悪い時には、市販の風邪薬を飲むこともあるかと思います。
しかし、薬のなかには、運転の支障となる「眠気」「注意力の低下」「めまい」等を起こすものがあるので注意が必要です。
これらの副作用は、風邪薬のほか、胃腸の痛みを和らげる薬や、花粉症の薬など、比較的多くの薬に出ることがわかっています。
そのため、服用者自身で、車を運転していいかどうかの判断を勝手に判断してしまうと、事故につながるおそれがあります。
市販のくすりの場合は、パッケージの表示を確認すると、わかるようになっています。それでも不安な場合は、薬剤師に相談してください。
一方、医師が処方する薬の場合は、処方医や調剤師から注意があるはずですが、心配な場合は自ら申し出て、確認してください。
なお、こうした副作用が起きやすい薬を服用しているときは、車の運転のほか、危険をともなう機械の操作や高所作業などもしてはいけませんので、注意してください。
※この記事は、以下のサイトを参照しました。
●独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 「知っておきたい薬のはなし」
毎年、12月から1月にかけて、大雪による大規模な立往生が発生しています。
事業所においては、まずは、雪道をノーマルタイヤで走行することがないように注意してください。
また、たとえスタッドレスタイヤを装着した車であっても、雪質などによって走行条件が変化しますので過信は禁物です。
以下のような場所では、凍結しやすいので、スタッドレスタイヤでも、細心の注意が必要なことを強調しましょう。
・橋の上、高架道路の上
・5%以上の勾配がある坂道
・トンネルの出入り口
・交差点、踏切の手前(皆がブレーキを踏み路面の雪がツルツルになる場所)
・川沿いの道、海沿いの道
・昼間でも日陰になりやすい場所
・崖水などが路面に降下し、側溝のない場所
このほか、降雪が予想されている場合はタイヤチェーンを携行し、立往生する前の早めの装着を徹底させましょう。
大型トラック等が立往生してしまった場合には運送事業者等には監査が入り、講じた措置が不十分と判断された場合には、行政処分の対象となります。
運転前には、
といったことを確認してください。
また、次のような車は、立往生しやすいため注意が必要です。
このほか、運転中には、次のことに注意してください。
安全管理、指導に関するチェックを
徹底しましょう
昨年12月10日から1月10日まで、「年末年始の輸送等に関する安全総点検」実施期間となっています。
自動車運送事業者はもちろん、鉄道、船舶を含めた全輸送機関に対して、災害や事故、テロや伝染病の流行などに備えた自主点検等を通じて安全性の向上を呼びかけています。
とくに事業用自動車の事業所においては、以下の点を重点的にチェックすることが求められています。車輪脱落防止の点検も徹底しましょう。
なお、大型自動車を使用する事業所では、自主点検を実施した後、2月上旬頃までに管轄の運輸支局まで結果を送付しましょう。
詳しくは、同省のWEBサイトを参照してください。
日 付 | 行 事 等 |
1日(水) |
・元旦 |
6日(月) |
・官庁仕事始め ・小寒 |
7日(火) |
・七草 |
13日(月) |
・成人の日(第2月曜日) |
10日(金) |
・110番の日──毎年1月10日は「110番の日」。110番は市民生活の安全に関する相談窓口です。なお、警察庁は、緊急性のない場合は相談専用ダイヤルである「#9110」番を利用するよう呼びかけています。 |
14日(火) |
・1月の製品安全点検日──経済産業省は、毎月第二火曜日を「製品安全点検日」として、製品の安全な使用法やリコール製品等について情報提供・注意喚起を行っています。 |
11月16日(土)~ 10日(金) |
・第64回「正しい運転・明るい輸送運動」 全日本トラック協会主催 ──詳しくは、全ト協のWEBサイトを参照 。 |
12月10日(火)~ 10日(金) |
・年末年始の輸送等に関する安全総点検──国土交通省が主唱する輸送機関等における事故やテロの防止対策実施状況等の点検です。詳しくは、同省のWEBサイトを参照。 |
12月1日(日)~ 2025年4月30日(水) |
・令和6年度 安全衛生教育促進運動──中央労働災害防止協会(中災防)が提唱し展開する活動です。年間計画を定めて、雇入れ時教育、特別教育などの義務付けを踏まえ安全衛生教育の確実な実施を促しています。外国人労働者の就労が増す中、安全衛生教育の重要性が高まっています。 |
12月1日(日)~ 1月15日(水) |
・令和6年度「建設業年末年始労働災害防止強調期間」 ──建設業労働災害防止協会が、災害の多い年末年始に積極的な災害防止運動を展開します。交通労災としては、現場送迎時の事故防止、路面凍結等によるスリップ事故の防止などを強調しています。 スローガン「無事故の歳末 明るい正月」 |
12月1日(日)~ 1月15日(水) |
・令和6年度 年末年始無災害運動 ──中央労働災害防止協会が主唱する安全運動。今年で53回目を迎えます。今年の共通標語は、 「今年もやります! 基本作業の徹底 年末年始も無災害」 (※詳しくは、中災防のWEBサイトを参照してください) |
15日(水) |
・軽井沢町スキーバス転落事故から9年──2016年の1月15日午前2時、 長野県軽井沢町において41名を乗せた大型スキーバスが路外に転落、乗客・乗員計15人が死亡し、25人が重軽傷を負いました。この事故を契機に貸切バスへの安全規制対策が強化され、多くの法令が改正されました。 また、運行会社の社長と当時の運行管理者だった元社員は業務上過失致死傷の罪で在宅起訴され、元社員は禁錮4年、社長は禁錮3年の実刑判決が言い渡されました(2023年6月8日長野地裁判決) |
15日(水)~ 21日(火) |
・防災とボランティア週間──「阪神・淡路大震災」を踏まえ、平成8年より設けられました。 |
17日(金) |
・防災とボランティアの日──1995年の当日発生した阪神・淡路大震災を契機として災害時におけるボランティア活動および自主的な防災活動への認識を深める目的で制定されました。 |
20日(月) |
・大寒 |
23日(木) |
・花粉対策の日──1.2.3という数字の並びが花粉症対策の重要な時期である1月から3月にかけて意識を高めることを目指しています。花粉問題対策事業者協議会が中心となり、花粉症に苦しむ人々への支援と社会貢献を目的に掲げ、一般社団法人日本記念日協会によって認定されました。 |
24日(金) |
・法律扶助の日──1952年(昭和27年)のこの日、法律扶助協会が設立されたこと記念して制定。同協会は2006年に改組され「日本司法支援センター(法テラス)」となり、経済援助を含めた法的支援を行う中心的な機関として活動しています |
25日(土) |
・日本最低気温の日──1902年(明治35年)に、北海道の旭川地方気象台で -41.0℃という日本の最低気温を記録したことによります。上空の強い寒気の通過と放射冷却現象によるものと考えられています。 |
26日(日) |
・パーキングメーターの日──1959年(昭和34年)に東京都が日比谷と丸の内に日本初のパーキングメーターを設置したことによります。 料金は15分単位で10円でした。当時は割高感があり、あまり利用されませんでした。 |
28日(火) |
・犀川スキーバス転落事故から40年──1985年(昭和60年)1月28日、 大学生ら46名を乗せた三重交通のバスが、長野県長野市で犀川の横を走る国道19号の左カーブで、ガードレールを突き破り川に転落、乗客の大学生ら23人と運転者ら2人の計25人が死亡しました。現場は雪が積もり路面が滑りやすくなっていましたが、死亡した運転者は事故当日までの2週間連続出勤しており、会社が輸送安全の確保に手落ちがあったとして、国土交通省の行政処分を受けました。一方、警察は過労運転の疑いで会社と管理者を送検しましたが不起訴処分となりました。 |
~31日(金) |
・令和7年使用 交通安全ポスターデザイン応募締め切り 詳しくは、毎日新聞社のWEBサイトを参照。 |
12月1日(日)~ 1月31日(金) |
・陸上貨物運送事業 年末、年始労働災害防止強調運動 陸上貨物運送事業労働災害防止協会(陸災防)の主唱する労災防止運動。交通災害や荷役作業時における墜落・転落災害などの防止を推進します。 スローガン 「健康診断 受診はスタート 向き合いましょう 健診結果」 詳しく陸災防のWEBサイトを参照してください。 |
1月中旬 | ・2024年11月末までの交通事故発生状況発表(警察庁) |
1月下旬 |
・2024年11月分 トラック輸送情報(国土交通省) |
◆1月の日没時刻 (国立天文台 暦計算室による)
1日(水) |
福岡 17:21 |
大阪 16:58 |
東京 16:39 |
札幌 16:10 |
15日(水) |
福岡 17:33 |
大阪 17:10 |
東京 16:51 |
札幌 16:25 |
31日(金) |
福岡 17:49 |
大阪 17:26 |
東京 17:07 |
札幌 16:46 |
1月は12月よりは日が長くなってきますが、雪が降ったり、しぐれる天気が多くなる月です。
雪の日などは昼間でも薄暮時のような暗さですのでライトは必要です。また、夜はあっという間に暗闇に包まれてしまいます。早めに点灯しましょう。
また、雪山の陰から出てくる歩行者や自転車なども見落とす危険が増しますので、ライトで警戒を与えることは重要です。
あなたが点灯することで歩行者や自転車などからもあなたのクルマが確認しやすくなります。
「おもいやりライト運動」は、夕暮れ時のヘッドライト早期点灯をドライバーに呼びかけて交通事故を削減する運動です。全国で点灯活動を展開する運転者が増えています。
JAF(日本自動車連盟)も早期ヘッドライト点灯キャンペーンを展開しています。
JAFのインターネットWEBサイトではライト点灯
に関して様々な情報提供が行われます。
※詳しくは JAF Safety Light
のサイトを参照してください