夏から秋へと変化する時期です。日没時間も早まるなか、薄暮時に歩行者との衝突事故が増えることを意識した安全運転に取り組みましょう。
また、9月は、台風と秋雨の季節です。雨天・豪雨時の安全運転について、指導してください。
健康面では、夏場の疲労の蓄積や、秋のレジャーシーズンにおける疲労の蓄積を防ぎましょう。
9月の安全運転目標
日没時間を意識した
運転を心がけよう
9月の重点管理目標
暴風雨に備えた
安全運転を指導しよう
9月の健康管理目標
夏からの疲労の蓄積に
注意しよう
■その他の管理・指導項目 ■運行管理者の皆さんへ ■9月の安全運転管理ごよみ
●日没時間を意識した運転を心がけよう
夕暮れ時の早めのライト点灯
9月に入ると日が暮れるのが急に早くなります。
とくに下旬には、夕方の運転でまだ明るいと感じていても、あっという間に暗くなり、対向車や歩行者からの視認性が低下します。
意識的な早めのライト点灯
「これくらいならまだ大丈夫」と思わず、少しでも薄暗いと感じたらすぐにヘッドライトを点灯しましょう。
近年は、オートヘッドライトの普及もすすんできていますので、装置に任せるのではなく、強制点灯方法もしっかりと確認しておきましょう。
反射材の着用
薄暮時や夜間に、歩行者として出歩く場合や自転車に乗る際には、歩行者や自転車に乗る方も、反射材を身につけるなど、夜間の視認性を高める工夫をしましょう。
●暴風雨に備えた安全運転を指導しよう
9月は台風の発生が多く、また秋雨前線の影響で雨の日が続くこともあります。雨天時の運転は、晴天時と比べて危険度が増します。
車両点検の徹底
豪雨による視界不良に備え、ワイパーの点検とフロントガラスの曇り止め対策をとりましょう。
また、雨天時はスリップ事故が多発するため、タイヤ点検の徹底と、「急」のつく運転をしないように指導してください。
道路の冠水に注意
豪雨時には、道路が冠水するおそれがあります。深さがわからない場所にはむやみに進入しないように指導してください。
同様に、アンダーパスも可能なかぎり迂回させましょう。
緊急連絡体制の確認
台風接近時は、道路が通行止めになることがあります。管理者としては気象情報の把握に努めるとともに、運転者をはじめとする従業員との緊急連絡体制を整えておきましょう。
●夏からの疲労の蓄積に注意しよう
疲労が与える運転への影響
8月の疲労が蓄積している方や、秋の行楽シーズに長距離運転を計画している方もいるかもしれません。
疲労は、ドライバーの判断力や集中力、そして反応速度を著しく低下させ、居眠り運転や不注意による事故のリスクを高めます。
十分な睡眠
前日はもちろん、日頃から十分な睡眠をとり、体調を整えてから運転に臨みましょう。
無理な運転は避ける
運転中に眠気や倦怠感を感じたら、無理をして運転を続けるのは非常に危険です。安全な場所に停車して仮眠をとるか、同乗者に運転を代わってもらう、といった対策を取りましょう。
こまめな休憩を
長距離運転をする場合は、こまめな休憩を積極的に取り入れましょう。一般的には2時間に1回程度を目安に、サービスエリアや道の駅などに立ち寄って、車外に出て体を動かしたり、軽い体操をしたりしてリフレッシュすることが効果的です。カフェインの摂取も一時的な眠気覚ましにはなりますが、根本的な疲労回復にはなりませんので、過信は禁物です。
きたる10月1日(水)から7日(火)まで、令和7年度「全国労働衛生週間」が実施されます。
9月1日から30日まではその準備期間です。各職場で職場巡視やスローガンの掲示、労働衛生に関する講習会・見学会の開催など、さまざまな取り組みを展開しましょう。
○全国労働衛生週間
準備期間 2025年9月1日~30日
本週間 2025年10月1日~7日
○スローガン
ワーク・ライフ・バランスに意識を向けて ストレスチェックで健康職場
とくに、重点的な目標として指摘されているのは、次のポイントです。
■台風や大雨に備えた体制を確保しよう
9月は例年、日本にもっとも多くの台風が接近する月となっています。
台風が接近してきた際には、河川の増水や氾濫、土砂災害、低い土地の浸水等に厳重な警戒が必要となるほか、激しい突風にも注意が必要です。
運行管理者の皆さんは、次のようなことに留意しておきましょう。
日 付 | 行 事 等 |
8月30日(土)~ |
・防災週間──防災の日をはさんで防災に関する知識を普及・啓発するとともに、防災行動へと結びつける取組みが全国各地で行われ、異常気象時における通行規制図などが自治体から配布されます。 |
8月30日(土)~ |
・紀伊半島豪雨災害から12年──2011年8月30日から9月5日にかけて台風23号の影響で関東と紀伊半島を中心に豪雨による甚大な被害が発生、河川の氾濫や土砂災害により全国で98人の死者・行方不明者がでました。 |
1日(月) |
・防災の日──1923年(大正12年)のこの日に発生した関東大震災を教訓とし、防災意識を高めるため1960年(昭和35年)に制定されました。 |
1日(月)~ 30日(火) |
・「全国労働衛生週間の準備期間」─ 来月の1日から7日に実施される 全国労働衛生週間の実効を上げるため、準備を行います。 令和7年度 全国労働衛生週間スローガン
「ワーク・ライフ・バランスに意識を向けて ※詳しくは、厚生労働省のWEBサイトを参照してください。 |
1日(月)~ 30日(火) |
・「自賠責制度広報啓発運動」──国土交通省などが主唱。自賠責保険・共済の重要性について積極的にPRします。特に原付バイクユーザーが無保険で走行しないように注意喚起をしましょう。 |
1日(月)~ 30日(火) |
・自動車点検整備推進運動強化月間 ──9月~10月の2か月間、国土交通省が点検・整備の重要性を呼びかけています(都道府県によっては9月より早い月から地方独自強化月間として独自に設定して、点検整備の取組みを推進します)。 |
1日(月)~ 30日(火) |
・職場の健康診断実施強化月間──厚生労働省が定期健康診断の実施や就業上の措置について事業者への徹底を促すため、毎年9月を「職場の健康診断実施強化月間」と位置付けて、啓発活動を行っています。 |
7月1日(火) ~30日(火) |
・令和7年度 港湾労働安全強調期間──港湾貨物運送事業労働災害防止協会による全国安全週間に呼応した活動。港湾内の事故防止活動を推進。 ●本年度のスローガン── 「多様な仲間と 築く安全 未来の職場」 詳しくはこちらを参照してください。 |
3日(水) |
・睡眠の日──「グ(9)ッスリー(3)」眠るからの語呂合わせです。日本人の睡眠時間は減少傾向にあり、良質な睡眠の確保が望まれます。8月27日から9月10日までは秋の睡眠健康週間が実施されます(春の「睡眠の日」は3月18日。世界睡眠デーと関連)。 |
7日(日) |
・白露 |
9日(火) |
・救急の日──救急医療週間は9月7日(日)~13日(土) |
~12日(金) |
・交通安全ファミリー作文コンクールの募集 7月4日より募集を開始し、応募締切は9月12日
(※詳しくは、警察庁のWEBサイトを参照) |
15日(月) | ・敬老の日 |
20日(土) |
・バスの日──1903年(明治36年)のこの日、京都市で日本で初めてバス会社(二井商会)が本格的な乗合自動車の営業を開始したことに由来します。日本バス協会では「バスフェスタ」を開催します。 |
21日(日) ~30日(火) |
・秋の全国交通安全運動──交通安全運動の推進要綱については内閣府のWEBサイトを参照してください。 |
23日(火) |
・秋分の日 |
30日(火) | ・交通事故死ゼロを目指す日 |
30日(火) |
・クレーンの日──クレーン協会等がクレーン等の安全規則を公布したことを記念して、昭和55年に制定されました。 今年のスローガンは、 「吊るす責任 支える誇り クレーンが運ぶ確かな安全」 詳しくは、同協会のホームページを参照して下さい。 |
4月1日(火)~ 9月30日(火) |
・「熱中症予防強化キャンペーン」──熱中症の予防対応策について正しい知識を普及するため、環境省が実施しています。 |
5月1日(木)~ 9月30日(火) |
・「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」期間 厚生労働省が主唱する、職場における熱中症予防対策キャンペーンは、5月1日から9月30日まで実施されています。 |
~9月30日 |
・夏の省エネキャンペーン──6月より実施/エネルギー消費の大きなピークの季節を迎え、省エネキャンペーンが行われています。 |
9月中旬 | ・2025年8月末までの交通事故発生状況発表(警察庁) |
9月下旬 |
・2025年7月分 トラック輸送情報(国土交通省) |
◆9月の日没時刻 (国立天文台 暦計算室による)
1日(月) | 福岡 18:44 |
大阪 18:25 |
東京 18:09 |
札幌 18:10 |
15日(月) |
福岡 18:25 |
大阪 18:05 |
東京 17:49 |
札幌 17:45 |
30日(火) | 福岡 18:05 |
大阪 17:44 |
東京 17:27 |
札幌 17:18 |
9月になって日暮れが早くなってきたことを実感していることでしょう。早い地域では夕方5時台で日没です。会社に戻る前に薄暮となり、マイカー通勤は夜間運転になることを意識して、早めに点灯しましょう。
夜が長くなると歩行者や自転車を見落とす危険が増し、夜間事故が増加します。
また、9月はスポーツや文化行事の多い月ですから、学生や児童・生徒が夕方出かけけていたりすることも多いので、歩行者の存在にはとくに気をつけましょう。
あなたが点灯することで歩行者や自転車などからもあなたのクルマが確認しやすくなります。
「おもいやりライト運動」は、夕暮れ時のヘッドライト早期点灯をドライバーに呼びかけて交通事故を削減する運動です。全国で点灯活動を展開する運転者が増えています。
JAF(日本自動車連盟)も早期ヘッドライト点灯キャンペーンを展開しています。
JAFのインターネットWEBサイトではライト点灯
に関して様々な情報提供が行われます。
※詳しくは JAF Safety Light
のサイトを参照してください