クラシックカーを復活させ、展示する「駄知旧車館」──土岐市

LRT ストラスブール

 「駄知(だち)旧車館」は、土岐市で自動車販売・整備業を営む(株)中根モータースの中根眞人会長が、長年の夢と努力を結実させたクラシックカーの殿堂です。

 製陶会社の元倉庫を改修した展示館の中には、昭和30年代~50年代を中心とした外車、高級国産車から軽自動車まで20数台を展示。

 さらに、修復前のダイハツミゼットなども玄関外に置かれています。

 

●板金・整備の腕を磨く

 オープンしたのは、今年(2012年)の5月17日ですが、準備には12年近くの歳月がたっています。

 車の板金・塗装は職人の世界、10年以上修行してやっと1人前の修理ができるようになるそうです。同社では、多治見市や土岐市に4店舗をもち自動車販売だけでなく修理・整備業も行なっていますが、板金・整備部の技能研修を目的として、廃車となった車を社員で修復する作業を始めました。

 復元車の完成第1号は、英国のパンサー・リーマ(写真の黄色いオープンカー)で、その後、ベンツやボルボ、トヨペットなど憧れの高級車から庶民が愛用したブルーバード、コロナ、そしてミゼット、マツダキャロルなど軽自動車まで20台近くを集めて復元整備をすすめてきました。

●製陶のまち駄知にふさわしい佇まい

 復元には手間がかかり、錆びて穴のあいた車体を塞ぎ、板金を打ち直して修復、塗料を塗り直して元通りの美しい姿にするには、仕事の空き時間を使っているので、1年近くかかっています。

 当初は腕試しだった修復も、会社のなかでいつしか本格的な復元技術の競い合いとなり、復活した旧車をぜひ皆さんにも披露したいという夢がふくらんだそうです。

 

 かつては製陶業で栄えた駄知町(土岐市の中でも丼の生産で有名)も、今では廃業した工場が多く、中根氏は「地域活性化の一助になれば」と製陶会社倉庫を買い取って、床や内装の改装修理には地元のタイルを利用するなど、展示館の整備をすすめてきました。

 オープンと同時にNHKや新聞などの取材もあって、地元はもちろん千葉県など遠方からのクラシックカーファンの見学者も多く、中根氏は嬉しい悲鳴をあげています。

 

  写真は展示された車のごく一部です。駄知旧車館への入場は無料ですが、開館は不定期です。見学を希望される方は、駄知旧車館のホームページで開館日を確認するか、事前に下記までご連絡ください。

 

 ■株式会社 中根モータース ☎ 0572-59-2161

 

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