かつては1万人を超えていた交通事故死者数も5,000人を下回るまで減少しています。車の安全性向上や、救急医療の進歩などにより、命が助かるケースも増えていま す。
一方、辛うじて一命は取り留めたものの、重い後遺症を一生背負うことになる人も大勢います。そしてそこには、日々介護に追われる家族の姿がありま す。
本ビデオは交通事故で脳に重い後遺症を抱えた被害者とその家族を取材し、交通事故がもたらす悲惨な実態を明らかにし、全てのドライバーに強く安全運転を促すものです。
協力:
頭部外傷等による重度後遺障がい者と家族の会「わかば」
自動車事故対策機構 千葉療護センター
NPO法人 脳外傷友の会ナナ
後天性脳損傷の子どもをもつ親の会(アトムの会)
NPO法人 トムトムの家
一般社団法人 交通事故被害者家族ネットワーク
制作:新生映画株式会社
カラー22分
◆遷延性意識障害を抱えた人とその家族
1・石橋智子さん(34歳)のケース
智子さんは高校生の時、ミニバイクで青信号の交差点を直進していたところ、対向右折車が智子さんのミニバイクに気付かず、右折を開始し衝突しました。
病院に運ばれ緊急手術が行われましたが、意識は戻りませんでした。
病名は「遷延性意識障害(せんえんせいいしきしょうがい)」、植物状態とも言います。交通事故は家族の生活を一変させました。両親が交代で毎日介護を続けました。その後両親は、智子さんと同じような重度の障害を持つ人のためのケアホームを作りました。
2・田中宏信さん(33歳)のケース
宏信さんは27歳の時、二輪車で片側二車線の道路の第一通行帯を走行。渋滞気味の第二通行帯を走行していた車が停止して、対向右折待ちのトラックに道を譲ったため、トラックが右折を開始し宏信さんの二輪車と衝突しました。
一命をとりとめたものの意識回復の見込みは殆どないと診断されました。
在宅療養は事故から5年後に始まりました。丸一日誰かが看ていないといけない状況から父親は会社を解散し、全時間を介護に集中できるようにしました。介護はやはり両親が中心で、仮眠をとりながら、昼夜交代で行っています。
◆高次脳機能障害を抱える人とその家族
3・狩野聖さん(19歳)のケース
小学校2年生の時、集団登校時に横断歩道を聖さんが最初に渡り始めました。その時下り坂でスピードの出た普通乗用車にはねられたのです。
聖さんは3週間後に意識が戻り、リハビリを続けました。しかし、脳の後遺症を抱えることになります。
聖さんの病名は「高次脳機能障害」。一般的には感情が抑制できなくなる、無気力になる、記憶力が低下するなどの症状が現れ、生活に支障を来たすことが多くあります。聖さんは現在、週5日地域作業所に通っています。重い後遺症を抱えているため、社会で生きていくには難しい聖さんに、少しでも社会生活を味わってもらおうと両親がさがした場所なのです。
◆エピローグ
撮影中に悲しい出来事が起こりました。石橋智子さんが亡くなったのです。
ハンドルを握ることは大切な人の命や人生を左右するのだということを忘れず、常に慎重な運転を心がけねばならないのです。
◆コード 6010
◆仕様 DVD(字幕選択式)
◆価格 77,000円(本体70,000円+税/送料弊社負担)
◆制作年 2012年2月
◆制作 新生映画株式会社